フィリピン人の恋 第3話 最終回

投稿日:2009年7月22日(水)

フィリピン人の恋・・・
Kが、部屋に帰ったとき、Yはすでにいなくなっていた。
Yとの約束を、思い出したK・・・
翌朝、KはYを探しに、Yの勤め先へ行く。
しかし、Yに会うことはできなかった。
Yの同僚が、Kに話しかけてきた。
このとき、KはYがマニラに行ってしまったことを知る。
そして、その場で、泣き崩れてしまった。
Kも再び家族へ送金するために、仕事をしなければならなかった。
Kは、ショッピングモールのセールスレディとして再び働き始める。
Kは、一か月、そして、三か月たっても、Yのことが忘れられなかった・・・
いろいろな男性が、Kの彼氏になりたいと言ってきたが、Kは全て断っていた。
Kは、Yしか愛せなくなっていたのだ。
それから、6か月たっても、KはYのことを毎日考えていた。そして、毎夜泣いていた。
Kは思った。
もうYのことを忘れなくてはならない。いつまでもYのことを思っていたって、彼は帰ってこないのだから・・・
月日が流れ、Yがいなくなってから、1年が経っていた。
Kは、今だにYのことを考えるが、以前みたいに毎夜泣くことはなくなっていた。
仕事も忙しく、他の彼氏をつくろうとも思わない・・・
仕事が終わって、部屋に帰ると、KはYのことをいつも想った。
Kにとって、Yはかけがえのない存在になっていたのだ。
Kは、寝る前、いつもYと一緒に寝転がり、彼の右腕の傷をさすりながら、おしゃベりをしていたころのことを思い出した。
この日も、仕事が忙しい日であった。
昼・・・
Kの楽しみの一つである昼食の時間である。
いつも食ベている安い食堂へ、同僚と2人で行ったが、たくさん人がいて、席が開いていない。
少し待つと、席が開き、Kたちは、そこで食事をとった。
ほかのテーブルも全て相席になるような状態・・・
小さいテーブルに4人が食事をしている・・・
Kは、昔から食ベるのが遅かった。
相席していた他の人たちは、どんどん入れ替わっていく・・・
Kの同僚は、上司の呼び出しを受けてしまって、先に仕事場へ戻って行った。
隣の席が、開いた・・・
そのとき、Kの後ろから、
「隣の席に座っても大丈分ですか?」
と聞かれた。
Kは
「ええ。いいですよ。」
・・・とその声のしたほうを振り向く・・・
Kは、心臓が止まりそうになった。
さらに1年がたった・・・
お腹の大きい妊婦たちが、たくさんいる。
ここはクリニック。
その妊婦たちの中に、Kがいた。
定期健診・・・Kは妊娠4か月・・・彼女は幸せそうであった。
Kのとなりに座っている男性とベタ~・・・っとくっついて・・・
Kのお腹の子供は、順調であった。
Kのとなりに座っている男性は、Kにやたらと気を使っていた。
その男性は、Kのお腹の子供の父親だった。
来月、彼らは、結婚するらしい・・・
今、幸せなときを過ごしているK・・・
クリニックを後にし、腕を組みながら、歩いていくKと男性。
Kは、腕を組みながら、その男性の腕をさすっていた。
Kがさすっている男性の右腕には、大きな切り傷の跡があった。
終わり

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