あるフィリピーナの過去 第6話 ⑧

投稿日:2012年5月18日(金)

あるフィリピーナの過去・・・
一回のみ日本人とのショッピングを約束したA・・・
このことは特に青年には言わなかった。
青年が怒るかもしれないことを恐れたためであった。
お店で日本人と待ち合わせをし、Aと日本人はタクシーでアヤラショッピングモールにむかった。
実は、Aはアヤラに行くことがはじめてであった。
青年とは、いつも近所でしかデートをしていなかったからである。
アヤラにて、日本人はたくさんAにプレゼントを買ってくれた。
Aはうれしかった。
夕方、Aは日本人と別れ部屋に帰った。
青年はまだ帰ってきていない。
Aは今日の出来事を青年に言うことに決めた。
この日、なぜか青年は部屋に帰ってこなかった。
翌日の朝、青年は部屋に帰ってきた。
酒臭い・・・
青年は、Aを見るなり、いきなりAを殴った。
Aは倒れた。Aの鼻から鼻血が滴り落ちた・・・。
何故、何故私を殴るの???
Aはわからなかった。
その時、Aは青年に理由は尋ねなかった。
青年は、そのまま寝てしまっていた。
Aは、この日仕事をやすんだ。
顔が腫れ上がっており、仕事ができる顔ではなかったのだ。
青年が起きたのは、夕方であった。
青年は起きるなり、目の前にいるAを無視して外へ出て行った。
Aは、青年の後を追っかけた。
青年は、インターネットカフェに行き、ゲームをずっとやっていた。
Aは、青年のその姿をよこからずっと見ていた。
昨日まであんなにやさしく、そして、Aを愛してくれていた青年がどうして一晩で急変してしまったのか・・・
インターネットカフェでのゲームを終了した青年は、また外を徘徊し始めた。
Aも青年の後をついて行った。
すると突然、青年の足が止まった。
すぐ後ろについていたAも足を止めた。
青年は、Aのほうに振り向かずこう言った。
『お前には日本人の別の彼氏がいるよな。そいつのところに行けよ。俺はお前に何もしてあげられない。お金がないからな。』
Aはショックを受けた。Aの本当のことを言おうと話し始めようとしたとき、青年が再び口を開いた。
『俺はお前達が楽しそうにデートをしているところを見たよ。お前を信じて今までやってきたのに・・・』
『将来的には一緒になろうと思っていたのに・・・お前がそういう女だと早く気づいてよかった。』
そして青年はどこかに行ってしまった。
Aはそれ以上青年の後をついていけなかった。
Aは青年を本当に愛していた。
Aは部屋にとどまり、青年を待った。
Aは青年に本当のこと、自分の本当の気持ち、青年しか愛していないことを伝えたかったのだ。
夜中、青年は部屋に帰ってきた。
青年はAを見るなり、また殴ってきた。
髪をつかみ、腹を殴った。
Aはうずくまった。
涙が止まらなかった。
もう青年は昔の青年ではなかった。
Aは、青年から離れるしかなかった。
続く
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