フィリピンリピーターへの道 ⑨

投稿日:2019年6月5日(水)

フィリピンリピーターへの道・・・

フィリピンの空港で見かける日本人中高年男性・・・

彼らのほとんどがフィリピンリピーターである。

フィリピンリピーターはどのようにして誕生していくのであろうか。セブの空港にて観察を行った。

フィリピンリピーターといえども、最初からリピーターだったわけではない。彼らとて、初めてフィリピンに来た日があったはずである。それにはいろいろなパターンがあるのである。

(1) 社員旅行で初めてフィリピンに来た。

(2) フィリピンリピーターに連れられてフィリピンに来た。

(3) ダイビングなどを目的としてフィリピンに来た。

など・・・

日本人中高年男性のリピーター化は、(2)が多いように思える。

大体5,6名の日本人中高年男性のグループを見かけたら、その中に一人、自称フィリピンに詳しいという男性がいるのである。5、6名ではあるが、空港から出てくるときは、何故かアリの行列のように一列になってスーツケースをガラガラと引きずりながら出てくるのである。一列になって出てくるということは、フィリピンに慣れていない中高年男性が間違いなくその中にいるということなのである。そして、その行列の先頭を歩いている態度のでかい中高年男性こそ、フィリピンリピーターなのである。

リピーターは、馴れ馴れしく空港職員に話しかける。これはリピーターの基本動作である。リピーター予備軍は、このリピーターの行動を常に観察しているのである。こうして、馴れ馴れしくフィリピン人に話しかけるフィリピンリピーターが誕生していくのである。

そして、空港にはフィリピンリピーターの友達らしき者が出迎えるのである。そして、リピーターはその友達と握手をしたり、ハグをしたりして、「俺はこんなにフィリピン人と仲がいいんだ」というのをリピーター予備軍に見せつけるのである。この時も、予備軍は常にリピーターのやり方を観察、勉強しているのである。

フィリピン滞在中も、リピーターの勢いは止まらないのである。いろいろなフィリピン人から声を掛けられ、そして、話しかける姿を予備軍たちに見せつけるのである。こうして、リピーターは予備軍から尊敬のまなざしで見られるようになり、将軍様のような態度になっていくのである。

そして、リピーターは、フィリピンの言葉を少しではあるが使うようにするのである。そうすると予備軍たちは「フィリピンの言葉がわかるなんでスゲー!!」とさらに尊敬のまなざしで見られるのである。これは癖になりリピーターはさらに横柄になっていくのである。

フィリピン滞在中は、こんな感じで予備軍たちはリピーターからいろいろ学んでいくのである。

予備軍も、いつの日かリピーター教育から卒業し、独り立ちをする日が来るのである。

恐らく4,5回は、予備軍としてリピーターにフィリピンについてくるが、予備軍も次第に慣れてきて、一人でも行動できるようになってくるのである。そうなった時が、独り立ちの時期なのである。いわゆる予備軍卒業というやつである。

こうやって、フィリピンリピーターは生まれていくのである。

しかし、リピーターになりたての中高年男性には、いろいろと試練が待ち受けているのである。