あるフィリピーナの過去 その3 中編

投稿日:2009年3月7日(土)

あるフィリピーナの過去・・・
セブでの仕事探しで、申し込んだ仕事は全て不採用・・・
大学を出ていないJには、仕事がなかった・・・
セブシティをウロウロしていたときに見つけたバーダンサーの募集広告。
Jは、バーのダンサーとして働くことを決める。
はじめは、下着姿で踊ることに抵抗を感じていたが、次第に慣れてきた。
そして、Jを指名してくれる客もだんだん増えてきたのだ。
最初の彼女の客は、イタリア人だった。
Jはそのイタリア人にバーから連れだされる。
バーから連れだされると大金が手に入る。これで家族にたくさん送金ができる。
Jは、うれしかった。
Jは同じバーに勤める子と、一緒に住み始める。
ルームメイトになった彼女には、彼氏がいた。
Jはうらやましかった。
そして、さみしさを紛らわすために、Jも彼氏を作った。
次第にバーでの仕事に慣れてきたJ・・・
たくさんのお客を相手にするようになっていた。
Jの彼氏は、Jのおかれた状況をよく理解し、Jを支えてくれた。
ある日・・・
Jは、違うフィリピン人の男に興味を持ち、一回デートをする。
それをJの彼氏に知られてしまう。
そして。Jの彼氏は、Jから離れて行った。
Jは、自分を親身になって支えてくれた彼氏を失った。
同じころ・・・
Jの体に異変が起きていた。
生理がこない・・・
いくら待っても来ない・・・
もしやと思い、妊娠検査をしてみる。
陽性・・・・
Jは妊娠していたのである。
誰の子供かJはすぐにわかった・・・
最初の客・・・イタリア人だ。
しかし、そのイタリア人に連絡を取ろうにも、連絡先を知らない・・・
そのイタリア人は、たった一晩だけの客だったのだ。
結婚しているのに、夫以外の子供を妊娠・・・
これはフィリピンでは違法行為・・・
厳格なキリスト教国のフィリピンでは許されない行為なのである。
Jはその子供を下すことはできない・・・
基本的にフィリピンでは、中絶は禁止されている。
もし医者にお願いして中絶手術を受けるのであれば、大金がいる。
Jは、家族に内緒で子供を産むことにした。
そして、ルームメイトの子にお願いして、出産した後、誰か子供を引き取ってくれる人を探してもらうことにした。
自分には3人の子供がいる・・・
3人だけで手いっぱいだった。
バーでは、お腹が目立ち始めるまで働かせてもらえることになった。
そして、妊娠4か月・・・
Jはバーの仕事をストップする。
そして、ルームメイトの子に面倒を見てもらうことになった。
お金を稼げなくなったJ・・・
家族に送金もできなくなってしまったのである。
続く

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