失踪の真実 ⑧

投稿日:2009年8月23日(日)

失踪に真実・・・
ジェフリーはとりあえず、市場で朝食をすませた。
そして、市場のまえに止まっていたトライシクルの運転手に領収書に記載されているグレイスの家族の住所を聞き、
そのトライシクルに乗ってグレイスの実家へ向かった。
舗装された道をトライシクルは走っていく。
15分くらい走ったであろうか・・・
トライシクルは、舗装されていない林の中の道に入って行った。
その道は、雨が降ると、道が川のようになるのだろう・・・道には水が流れた跡がたくさん残っている。
10分くらい、その道を進みトライシクルは止まった。
トライシクルの運転手は言った。
「その紙に書かれている住所は、この辺りだよ。その辺りの人に聞けば見つかると思うよ。」
ジェフリーは、トライシクルを降り、あるいてグレイスの実家を探すことにした。
その辺りは、大きな気が茂っており、その下に、小さな民家がぽつぽつと建っていた。
ジェフリーは、そのうちの一軒にグレイスの実家について尋ねた。
「ああ、すぐそこだよ。向こうに見える洗濯物がたくさんほしている家だよ。」
ジェフリーは、住民に礼を言って教えてもらった家へ向かった。
グレイスの家は、木で建てられた家で、裕福ではないのは誰の目にも明らかであった。
「こんにちは」
ジェフリーは、家の中に誰かいないか声をかけた。
すると家の中から、40代から50代と思われる女性が出てきた。
「どなたですか?」
「はじめまして、私はグレイスさんの友達のジェフリーといいます。近くまで来たのでグレイスさんに挨拶しようと思って・・・。」
ジェフリーは、自分がグレイスの恋人であることは、まだ言わないでおいた。
女性は笑顔で、
「そうですか。グレイスは、2,3か月前に帰ってきたんですよ。セブから。もうここにはグレイスはいないんですよ。また、どこかに行ってしまいました。いつ帰ってくるかは、わかりません。」
グレイスは、ここにはいない・・・どこへ行ったのか・・・
ジェフリーは、その女性がグレイスの母親であることを知った。
ジェフリーは、聞いた。
「お身体のほうは、大丈分なのですか?」
「大丈分ですよ。ここ数年、風邪も引いてませんので。」
グレイスは、両親が病気だから、ミンダナオに帰ったのだ。
しかし、母親は病気にはなっていない。
「グレイスさんのお父さんは・・・」
「今、ダバオのほうで仕事をしています。」
「お父さんも、病気にはなっていないのですか?」
「私と一緒でぴんぴんしてますよ。どうしてですか?」
「い・・・いや・・・噂でグレイスさんの両親が病気だと聞いていたのもですから・・・」
そして、ジェフリーは、グレイスについてもいろいろ話した。
グレイスの母親は、ジェフリーを家の中に案内した。
母親は、グレイスについて話し始めた。
「2,3か月前にふらっと帰ってきたんですよ。お土産等を持って・・・男の人と一緒でした。恋人だと言ってましたよ。」
ジェフリーは、その話を聞いた途端、血の気は引いた。
続く

「失踪の真実 ⑧」への6件のフィードバック

コメントは受け付けていません。