失踪の真実・・・
男といっしょ・・・、しかも、恋人?
グレイスの母親は続けた。
「荷物をおいて、すぐに行ってしまいました。2時間くらいしか、ここにいなかったんですよ。」
「男の人は、どんな人だったんですか?」
「背がとても高い人でした。そうそう、昔、グレイスが帰ってきたときに、恋人だと言っていた人でしたよ。写真があります。」
母親は、写真を取りに、隣の部屋へ行った。
ジェフリーには、その男の心当たりがあった。
背が高くて、昔、グレイスと付き合っていた・・・
母親が戻ってきて、ジェフリーに写真を見せた。
その写真にはグレイスと、その隣に男が写っていた。
「レイナンだ・・・」
ジェフリーは、以前グレイスの部屋で、グレイスと写っているレイナンの写真を見たことがあった。
その顔は、今でもはっきり記憶にあった。
「そう、レイナンって言ってました。恋人の名前は。」
ジェフリーは、混乱していた。
なぜ、レイナンと・・・。別れたのではなかったのか・・・
ジェフリーは、母親に言った。
「グレイスさんに、大事な話があるんです。今、どこにいるかわかりますか?」
「カガヤン・デ・オロのほうに行くとか言ってましたけど、どこに住んでいるのかはわかりません。連絡がありませんから・・・」
恐らく、仕事を探しにカガヤン・デ・オロまで行ったのではないだろうか。
ここは、田舎だし、仕事を見つけるのは難しい・・・
ジェフリーは、グレイスが実家に置いて行った荷物が気になった。
「グレイスさんが、置いて行った荷物を見せていただけませんか。何か手ががりがあるかもしれない。」
「ええ、いいですよ。」
母親は、再びとなりの部屋に行き、ひとつのバックを持ってきた。
ジェフリーは、そのバックを開けた。
見たことのある服などがバックの中に入っていた。
その服は、ジェフリーがグレイスにプレゼントしたものだった。
そして、バックの奥から、携帯電話が出てきた。
これは、グレイスが以前使っていた携帯であった。
続く
失踪の真実 ⑨
投稿日:2009年8月24日(月)