フィリピン人の恋 第3話 ⑦

投稿日:2009年7月19日(日)

フィリピン人の恋・・・
Kが、仕事を終えて部屋に帰ると、酒を飲めないはずのYが、酒臭い・・・
Kは、Yに何か問題があるのか訊くが、Yは「ない」と答えるだけ・・・
Kは、このYの態度が気になっていた。
Kは、ダンサーの仕事に慣れてきており、一人の日本人の客が毎回Kを指名してくれるようになっていた。
その日本人は、ものすごくKを楽しませてくれる客であった。
毎週、必ずその日本人はバーを訪れ、Kを指名し、楽しませてくれた。
その日本人は。中年の男性で、このセブに住んでいるのだという。
あるとき、その日本人の客が、
「今度、一緒にカラオケをしに行こう。」
・・・とKに言ってきた。
彼女は思う・・・
「カラオケだけなら問題ない。彼と寝るわけじゃないから・・・」
彼女は、忘れていた・・・Yとの約束を。Yの出した条件を・・・
いつものようにKは、バーでの勤務中もYのことばかり考えていた。
早く、彼に会いたい・・・
そのとき、Kの客である日本人が、バーに姿を現した。
日本人は、「これからカラオケに行こう。」と言ってきた。
Kは、この日本人にバーから連れだされることをOKしてしまったのである。
日本人とカラオケをしている間も、KはYのことを考えていた。
そして、KはYに携帯でメッセージを送る。
バーにいる時も、Kは、毎回隠れてYに携帯でメッセージを送っていた。
Yは、すぐに返信をしてくれたので、バーで働いているときも、Kはさみしさを感じなかった。
カラオケ屋からKは、Yにメッセージを送り、今、客とカラオケをしていることを告げる。
しかし、いつもすぐに返信してくるYが、このときばかりは返信が遅く、いつもと何かが違うような感をKは受ける。
Kは、再びメッセージを送る。
「どうしたの?」
そして、ようやくYから返信があった。
「楽しんでね。」
この一言だけ・・・
このYからのメッセージを読んだKは、変な胸騒ぎを感じた。
続く

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